平和学習の旅 中国 2009 ~ 万人坑を知る旅 ~2009/06/25

* 李秉剛 著/張玉彬・胥敏 訳
『万人坑を知る―日本が中国を侵略した史跡』
(東北大学出版社 2005年9月)

「平和学習の旅」ドイツ&ポーランド、韓国に
続き、 中国を企画しました。
中国東北部「偽満州国」三省のひとつ、遼寧省に残る万人坑を6ヵ所見学します。地図で見ると、遼寧省は日本の中国・四国地方がすっぽり入るくらいの広大な地域です。

・撫順「平頂山事件」の万人坑(遼寧省撫順市)
・本渓炭鉱の万人坑(遼寧省の東の山地)
・大石橋マグネサイト鉱山の万人坑
(遼寧省南部)
・弓長嶺鉄鉱の万人坑(遼寧省遼陽市)
・阜新炭鉱の万人坑(遼寧省の西部)
・北票炭鉱の万人坑(遼寧省朝陽市)

万人坑とは、鉱山や大規模な工事現場で、中国人労働者に苛酷な労働を強要した結果、栄養失調やケガ、病気などで使いものにならなくなると、生きながらも捨てた「ヒト捨て場」。非正常の死亡者が大規模に埋葬された場所。平頂山事件のような大量虐殺による万人坑や軍事要塞周辺や労工狩りの収容所周辺で発見された万人坑もあるそうです。

いつか、万人坑について学ぶ企画を、とずっと考えていました。中帰連や撫順の奇蹟と出会った2000年の訪中後、それまで全く知識のなかった過去の中国との戦争に関する本や資料を読みはじめ、最初に読んだのが本多勝一さんの「中国の旅」でした。
ただただ酷い、おぞましい日本軍による蛮行の事実や証言が書かれていましたが、その時、こんな事があるのか!と驚愕したのが万人坑でした。自分の常識にはない出来事だったからです。本多さんもこれ以上酷いものは見た事がない、と写真や多くの証言にページを割いておられ、「これはルポしなければ!」という思いが感じられた箇所でもありました。

今、万人坑はどのような状態にあるのか、亡くなった人にも人権があるはず等、万人坑に様々な思いを持ってきました。これまで訪中した際に、撫順炭鉱なのだから、炭鉱に万人坑はつきもの、是非見学させて欲しい、と事前に要望しても、平頂山事件の万人坑は残っているが、現地でも他の万人坑についてはどこにあるかわからない、もう残っていない等の返事しかありませんでした。

気になりながらも時は過ぎていきましたが、2007年の訪中時に瀋陽の「九・一八事変博物館」を見学後に、同館の書籍売り場に立ち寄った際、係の人が無言で私に1冊の本を差し出しました。「万人坑を知る」という日本語の表紙、えええ!と本をめくると日本語表記、写真も豊富で、歴史と系統別の記述、そして日本語も違和感なく書かれていたので、即購入しました。いよいよ万人坑について学ぶ企画をする「時」が来たのかも・・と思いました。

早速、「偽満州国」の6ヵ所の万人坑を訪ね、『偽満州国に日本侵略の跡を訪ねる』 http://eritokyo.jp/independent/bookreview-aokishigeru0001.html
を出版された、受け継ぐ仲間でもある青木茂さんに資料をいただいたり、90年代に中国各地の万人坑を現地調査された関西在野の研究者に話を聴きに行き、アドバイスもいただきました。そして、「万人坑を知る」著者である李秉剛教授にこの旅の同行解説をお願いしたところ、快く協力を申し出て下さいました。そもそも、この本を日本語で出版したのもこの悲惨な事実を日本人に知って欲しい!強い願いからだったそうです。全く、人がこのような酷い扱いを受け、しかも「捨てられ」中には「生きたまま捨てられ」、殺された後、今も野ざらしになっているとしたら、、こんな酷い話はありません。

万人坑を巡る旅、学ぶ旅、いろいろタイトルを考えましたが、やっぱり李教授が出版された本のタイトル、先ずは、「万人坑を知る」というのが最適と思いこの表題にさせていただきました。

李教授には、万人坑受難の幸存者や、遺族、関係者の証言と交流、訪問する地域に抗日記念館や惨案の慰霊碑などがあれば、そちらの見学もお願いしています。時間や状況の許す限りそうした時間も取り、より有意義な旅にしたいと考えています。

数年前、ニューヨークのハドソン川沿いの小さな町を巡る旅を企画しました。
有名な大都市でなく、地方都市や小さな町にも魅力的な味わいがあります。今回も営口や本渓などの地方都市に滞在します。「今の中国」を見る、知る意味でも遼寧省を巡る楽しさもある旅になると思います。あまりに重い旅なので、楽しさも。(^o^)丿

過去を知ることは今を知ること。
亡くなられた人々の慰霊も含め、共にこの旅に出かけませんか。


 ===========================

❀ 8/20 申込を締め切りました。ツアーを催行いたします。


         平和学習の旅 中国 2009

          ~ 万人坑を知る旅 ~


■期間 : 2009年 9月25日(金)~9月30日(水) 5泊6日

■料金 : 176,000円 (関西空港 発着)
     * 2名1室利用
     * 各地発の方は別途手配させていただきます。
     * 一人部屋追加代金:14,000円

■募集人員 : 9名様 限定 (最少催行人数 : 6名)

■申込み締切日 : 8月20日(木)

■同行解説: 李秉剛さん(遼寧政治経済学院 教授)

■企画 ・コーディネート:  NOTSU KAYOKO
                 unique tours of peace & people
                 HAPPY-SCREAMING PROJECT
                 * ツアーに同行いたします。

■旅行企画・実施 : 株式会社 みずほトラベル 阪急園田店
〒661-0953 尼崎市東園田町 9-48-1(園田阪急プラザ2F)
電話:06-6498-0077 ファックス:06-6324-2439


■お問い合わせ・お申し込み :
  HAPPY-SCREAMING PROJECT 野津 あてお願いいたします。
  happy.screaming.project*gmail.com *印は@に打ちかえて下さい。


☆ 李秉剛さん(『万人坑を知る―日本が中国を侵略した史跡』著者)
1948年生まれ。1975年遼寧大学歴史学部卒。
1980年『東北抗日連軍闘争史』の編集に参加。以来、東北地方史の研究に没頭。中国社会科学院中日歴史研究センターで「日本の中国東北地方労働者酷使の調査」の課題を主宰。「中国の第二次世界大戦中の労働者」のホームページを主宰。
主著:「日本による中国侵略期間中の遼寧省の万人坑調査」
    「遼寧人民抗日闘争史」



【旅 程】 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■9月25日(金)
中国南方航空の午後便にて関空発 午後瀋陽着 夕食後、ホテルチェックイン
☆瀋陽 泊 遼寧賓館(3つ星クラス)

■9月26日(土)
専用車にて阜新へ(約3時間)、阜新炭鉱の万人坑、死難砿工遺跡館、阜新砿史陳列館等を見学、昼食後、北票へ移動(約1,5時間)北票炭鉱の万人坑見学、その後営口へ(約3,5時間) 
☆営口 泊 龍閣飯店(3つ星クラス)

■9月27日(日)
大石橋へ移動(約1時間)、マグネサイト鉱山の万人坑を見学後、弓長嶺へ(約2時間)昼食後、弓長嶺鉄鉱の万人坑見学。本渓へ(約1時間)、水洞(鍾乳洞)を観光。
☆本渓 泊 富佳大飯店(3つ星クラス)

■9月28日(月)
本渓炭鉱の万人坑を見学後、瀋陽へ(約2時間)。昼食後、九・一八事変博物館見学、その後、撫順へ。
☆撫順 泊 煤都賓館(3つ星クラス)

■9月29日(火)
撫順戦犯管理所を訪問見学、平頂山殉難同胞遺骨館、露天鉱などを見学。フリータイム。夕方、瀋陽へ。この旅を振りかえり、感想交換の夕食会。
☆瀋陽 泊 遼寧賓館(3つ星クラス)

■9月30日(水)
早朝便で瀋陽発 お昼頃、関空着予定

     * 現地事情により旅程が変更になる場合があります。
       その際は悪しからずご了承ください。

◎旅行費用に含まれるもの
■ 航空券 中国南方航空利用
■ 送迎  到着日および帰国日の空港~ホテル間
        明記された専用車利用区間の全移動費用
■ 観光  旅程表に明記した訪問先の入館料・見学料
■ ホテル
■ 食事 (朝食5回 昼食4回 夕食5回)*アルコール飲物代は含まれておりません
■ 李教授の同行解説費・関係者との交流費・手土産代・献花代等

◎旅行費用に含まれないもの
■ 関西空港施設使用料 (2650円)
■ 燃油サーチャージ・航空保険料・現地空港税 (09年6月参考:約 3100円)
■ 団体旅行中の公共機関を利用する際の交通費 (タクシー等)
■ 国内交通費および国内宿泊費
■ 旅行中の20kgを超過手荷物料金・帰国時の関税等
■ 個人的用途にかかる費用
■ 海外旅行傷害保険(任意)

☆旅行取消料
お客様のご都合により旅行を取りやめにされる場合は、参加料金に対して
下記の取り消し料がかかりますのでご了承願います。
・8月20日~8月24日:10%
・8月25日~9月17日:20%
・9月18日~9月22日:30%
・9月23日~9月24日:50%
・旅行開始当日:100%
・無連絡不参加及び旅行開始後:100%

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hugocafe.asablo.jp/blog/2009/06/25/4388909/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。